2011年10月20日木曜日

1-1-1-1-2 旧石器時代人の生活

日本史 第1部-原始・古代 第1章-日本文化のあけぼの

1 文化の始まり

1-2 旧石器時代人の生活

旧石器時代の日本列島には、南方系のナウマン象、北方系のマンモス象大角鹿を追いかけてきた人々が住み、ポイントとよばれる尖頭器を槍の先に装着して動物を捕獲したと思われる。
 人類の歴史は、用いられた道具によって石器・青銅器・鉄器などに区分される。
 
 旧石器時代人については、相沢忠洋の発見で有名になった群馬県の岩宿遺跡や、静岡県の三ケ日・浜北や沖縄県の港川から発見された化石人骨などから、それらの様子の一端がわかる。

 日本列島では、新石器時代は縄文時代以降であるが、漁ろう用の銛・釣り針には動物の骨を加工した骨角器、動物の皮をはぐために用いた石匙などの石器も用いられている。
 
 石器は利器として用いられたほか、貨幣にも似た役割をもっていたという説がある。たとえば、長野県和田峠や北海道白滝などを主産地とする黒曜石や、新潟県姫川を主産地とする硬玉の分布範囲が広域におよんでいることから、それらを各地に携行して、魚介類や獣肉類などと交換した可能性がある。また、男性の性器をかたどった大型・小型の石棒は、女性をかたどった土偶とともに縄文時代の呪術的信仰を今に伝えるものであると同時に、石器もまた儀礼に用いられたことがわかる事例である。
 このほかにも、成年への通過儀礼である抜歯も口を大きく開いて、石をあて、その石を別の石で打つかたちで行なわれたと推測されている。